図書館での活動報告

県立長野図書「読書バリアフリーって何だろう?〜自分に合った読書スタイルを見つけよう〜」

2025年6月29日(日)、県立長野図書館3F『信州学び創造ラボ』にて、読書バリアフリーに関する講演を行いました。
今回の研修会のきっかけは、2月の長野県共生社会コンファレンスです。図書館司書の方が「りんごの棚」の設置と運営について迷っていた際に、りんごプロジェクトと出会い「読書バリアフリーってなんだろう?」と「デジとしょ信州・体験会」2部構成の交流型研修会を企画する運びとなりました。
講演では、りんごプロジェクト・日本図書館協会障害者サービス委員会の佐藤聖一より「読書バリアフリーってなんだろう?自分にあった読書スタイルをみつけよう」をテーマに、また同じくりんごプロジェクトの佐伯が「『りんごの棚』からはじまる学校・学校図書館の取り組み。ー横浜市の事例からー」をテーマにお話ししました。
参加者は、図書館関係者、教育関係者、視覚に障害のある方、そして地元・清泉大学のゼミ生や准教授など、さまざまな立場の約35名。
アンケートによると「読書バリアフリー」という言葉を聞いたことがあり、もっと理解を深めたいという方が多かったようです。実際、講演中も熱心にメモを取る姿が見られました。
講演後は、約30分バリアフリー図書体験会と交流会を行いました。清泉大学のゼミ生は今年度「読書バリアフリー」をテーマに学んでおり、体験会コーナーで寄せられた個別質問に対応してくれました。若い世代が真剣に学んでくれている姿を見て、読書バリアフリーの未来は明るいと感じ嬉しくなりました。
質問では、布絵本の入手方法や布絵本グループと図書館の連携、さわる絵本の作り方、さらには読書バリアフリー体験会セット(文字・活字文化推進機構)を図書館で借りて、さまざまなバリアフリー図書の理解を深めたいといった声もあり、すでに実践的な視野持ち、さらに前進したいというパワーを感じました。

会場となった県立長野図書館の3F『信州学び創造ラボ』は、自分の好きなテーブルやカウンターで勉強や読書、おしゃべりや飲食も可能という居心地の良いオープンスペースです。このような魅力的な空間の一角で講演する機会をいただき、長野県における読書バリアフリーの裾野を広げる一助になれたことを嬉しく思います。

横浜市での公共図書館と学校との連携は始まったばかりですが、学校に向けてバリアフリー図書の貸出セットを作成しています。セットには、点字付き絵本、L Lブック、大活字本など15冊が含まれています。今後、セット内容や数がさらに充実していくことが期待されます。
学校はバリアフリー図書専用の予算が特別にあるわけではないため、限られた冊数のバリアフリー図書から「りんごの棚」をスタートすることになります。そこに公共図書館の貸出セットが加われば、子どもたちはより多様なバリアフリー図書に触れることができます。

ぜひ、公共図書館におけるバリアフリー図書のさらなる充実をお願いします。
実際のスクロールの挙動は、プレビュー/公開ページでご確認ください
アンケートより:体験会の感想(抜粋)
・ 点字の本やリーディングトラッカーは図書館にありましたが、それぞれ棚に置いてあるだけでした。今日の体験会で、りんごの棚を作ることで、理解する、知るきっかけになることが分かるとても良い時間になりました。ありがとうございました。
・ 自分にあった読書スタイルを見つけるか、いかに早い段階で気付くか、とても大事だと気付か
されました。
・ 実際に障がいのある方と触れ合う機会になりました。私も、学校の授業で知りましたが、いらっしゃった方々もたくさん質問していってくださいました。「これはどう使うの?」などと言った意見を交換し合ういい機会になったと思いました。また、点字を読める方は数少ないことも驚きました。
・ 実際に視覚障害者や聴覚障害者の人たちの読書のあり方を改めて学び、様々な障害を乗り越え
ながら自分たちの方法で読書を楽しんでいるということを理解することができました。
・佐藤さん、佐伯さんの講演を拝聴して、すべての方に適切な読書環境を提供する必要性と、その難しさを感じました。
・ 読書バリアフリーについて多くの方に知ってもらうため、図書館でできることを今後も模索していきたいです。
・ 実際に当事者の方からのお話を聞くのが初めてだったので、図書館の在り方や図書館のバリアフリーについて改めて考えさせられました。
・ 図書館でこのような会が開かれることやりんごの棚に触れてもらえることがあまりないため、今日のような機会は貴重であるし今後もっと増えてほしい。
・ まず学校と連携して先生にアクセシブルな本があることを周知させることが重要だと感じた。

たくさんの感想をありがとうございます。
「アクセシブルな本についての情報を、広く知らせるにはどのような方法が良いか」という質問に対して、「学校で知らせる」「図書館で知らせる」といった回答が多くあげられます。
やはり子どもの時からバリアフリー図書が身近にある環境が望ましいと考えている方が多いという結果になりました。
実際のスライダーの動きは、プレビュー/公開ページでご確認ください

当日の体験会の様子

地域の図書館とコラボ「中区ブックフェスタ」

学校に来てくれた保護者や地域の人に、3年生の子どもたちが春からパワーアップした「りんごの棚」を紹介する場面もありました。日々、学校図書館に工夫と体験をもたらしている本牧南小さんとその地域の皆さまに、読書バリアフリーが広がり、誰にとってもより住みやすい街となることを願っています。

多賀城市立図書館での体験会

2022年12月11日(日)宮城県の多賀城市立図書館で体験会を行いました。 図書館主催の体験会は今回で4回目です。2019年に読書バリアフリー法が施行されて以降、公共図書館では読書へのアクセシビリティを課題に掲げているところが増えてきました。障害者サービスの充実や障害者や本の読みづらい人に配慮された蔵書が増えてきています。しかしながら、それを必要な人に届けることがなかなかできていないのが現状です。 今回は多賀城市立図書館の担当者からお声がけいただき、りんごの棚の設置と体験会の開催に協力させていただきました。 仙台駅から仙石線で20分ほどのところにある多賀城駅。その駅前におしゃれな公共図書館「多賀城市立図書館」があります。こちらの図書館は指定管理者のカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社によって運営されています。建物に入ると、北側は一部吹き抜けとなっていて、蔦屋書店とスターバックス、3階にはレストランが入っています。棟の南側は3階建の図書館部分で、きめ細かいサービスと居心地の良さがバツグンでした。人口6万人の多賀城市で、来館数が年間140万人と聞いて驚きました
日曜日の午後、若者や高齢者、赤ちゃん連れの家族など多くの人で賑わっていました。
今回も最初にレクチャーをして、その後に会場に設置された体験コーナーで図書に触ることができました。1階中央にある"住まいの部屋"というオープンスペースで、マイクを使って話していると、事前予約の人だけでなく、図書館に来た人も、「何をやっているのかな?」とふらっと立ち見する人も多くいました。普段は静寂を保つために別室で行うのですが、このようにオープンなスペースで市民に発信するのも良い取り組みだと感じました。 館内は間接照明やBGMもあり、ソファや観葉植物など、まるでホテルのラウンジのようです。なるほど多くの人がわざわざ来たくなる図書館だなと納得。多賀城市立図書館は次々と魅力的なイベントを企画している素敵な公立図書館でした。

豊島区立図書館「にぎやかな公共図書館フェスティバル」

2022年7月27日、28日の2日間、池袋あうるすぽっとで開催された豊島区制90周年「にぎやかな公共図書館フェスティバル」にブース出展させていただきました。

このイベントは「みんなおいでよ!豊島区立図書館」をキャッチフレーズに、多くの人に身近な場所で、多くの人に利用される「にぎやかな公共図書館」をみなさんと一緒につくりあげていくことを目的としています。図書館の「学ぶ」「楽しむ」「分かち合う」のワクワクな循環をひとつに集めたフェスティバルでした。

 今年の1月に巣鴨図書館に「りんごの棚」が開設され、りんごプロジェクトがインタビューさせていただいたご縁で今回のイベント出展につながりました。 
インタビュー記事はこちら

夏休みとはいえ平日の開催で、どれくらいの来場者だろうと心配していましたが、りんごプロジェクトのレクチャーはほぼ満席。他のワークショップや劇場でのおはなし会も大盛況。すべて手話通訳付きでとても充実した内容でした。

私も息子と一緒に、執事喫茶SwallowTailのおはなし会に参加させていただき、優雅な時間を楽しみました。

公共図書館は誰もが無料で利用できる市民の財産です。

単に本を貸し出すところではなく、さまざまなイベントを行い、情報を届けるサービス機関として日々工夫や努力をされています。コロナ禍で図書館の利用が制限されたとき、居場所をひとつ失ったような寂しさがありました。読書人口が減っているというニュースも聞きますが、デジタル技術が進化しても本を読む喜びはいつまでも残るのではないでしょうか。

今回ブース出展させていただき、さまざまな企業団体とのコラボ企画の面白さを体験し、公共図書館がまだまだ発展していく可能性を感じました。
 

「品川区立図書館での体験会」

2022年3月21日(月・祝)、品川区立図書館で体験会を実施しました。12月の上旬にお問い合わせをいただき、すぐに当館を訪れ打ち合わせをさせていただきました。その頃はコロナの状況も落ち着いていて3月開催に向けて順調かと思われましたが、年明けからオミクロン株の感染が拡大。中止にならないよう祈りながら準備を進めていきました。 

今回は区報にも体験会の案内を掲載してくださり広く一般市民の皆様に「りんごプロジェクト」の活動を周知いただくことが出来ました。1月半ばには区報原稿のチェック、そして2月までに同時手話通訳者向けの原稿を準備し、講義内容をわかりやすく伝えるためにスライド資料の制作にも取り掛かりました。 

品川区立図書館では現在「音訳ボランティア」「点訳ボランティア」「さわる絵本製作ボランティア」「児童サービスボランティア」の4種類のボランティア活動が行われています。なかでも「さわる絵本」の所蔵が多く、この活動を長年続けておられる「むつき会」の活動は大変貴重です。また今回は図書館間貸し出し制度を利用して、練馬区立光が丘図書館の「布の絵本」を会場に展示することができました。布の絵本は視覚でも触覚でも楽しめ、親子のコミュニケーションや手指の巧緻性も育めます。

通常私たちの体験会は講師によるレクチャーを聞いてから実際にアクセシブルな図書に触れていただきます。レクチャーではりんごプロジェクトの成り立ちや私たちの目指す社会についても触れ、アクセシブルな図書についての説明やどこで手に入るかなどの情報提供と質疑応答含め40分程度の内容です。-------------------------------------
(区報掲載内容)〇共生社会をめざす図書館講座  
「誰でも読書!アクセシブルな図書の体験会 ~図書館からはじまるインクルーシブ社会~」  
読むことに困難さがあっても、さまざまな形で読書を楽しめるアクセシブルな本について学び、体験できる講座です。
・日時/3月21日(月・祝日)  
①講師によるレクチャーは、午後2時からと午後3時から(同内容で2回)  
レクチャー会場は、品川図書館4階・視聴覚ホール(各回先着30名)  
②体験コーナーは午後2時~4時 ・会場と定員  
体験コーナーは、品川図書館4階・第1会議室(自由に出入り可)--------------------------------------

2021年度最後の体験会当日は久しぶりにメンバー全員が集まりました。のべ30名ほどの参加があり、質疑応答では
Q.コロナ禍で対面朗読はどのような工夫がされているのか
Q.視覚障害のある図書館司書は全国に何人いるのか?    などの質問や
音訳ボランティアをしている。なるべく早く視覚障害のある人たちに届けたいアクセシブルな図書は障害のある人だけではなく全ての人にとって必要だと思う などの感想が述べられました。 

今回は図書館関係者の参加も多く嬉しかった反面、子どもの頃に自分にあった読書(勉強方法)との出会いがとても大事なので、今後は教育関係者の参加がもっと増えてほしいと願わずにいられません。

共生社会を目指す図書館講座を開催してくださった品川図書館の皆様ありがとうございました。

 横浜市山内図書館『やまうちとしょかん夏のおはなし祭り2021』

 2021 年8月 7 日(土)(11 時-14 時) 横浜市山内図書館(田園都市線あざみ野)の5日間に渡る『やまうちとしょかん夏のおはなし祭り2021』のイベントの一つとして「インクルーシブ図書の体験会」を行いました。神奈川県は緊急事態宣言下のため感染予防対策を徹底的しながらの開催となりました。

 オープンスペースでは、デイジー図書や LL ブックなどのアクセシブルな本の展示を行いました。お子様連れや学校関係者、図書関係者の方々に立ち寄っていただき、マルチメディアデイジーの体験や、ユニバーサル絵本を見たり、布の絵本に触ったりしていただきました。そして「おはなしのへや」では、メイン講師の佐藤聖一氏と限られた人数の参加者の方をZOOMで繋ぎ、アクセシブルな本についての説明を行いました。

 今年で横浜市立図書館は 100 周年を迎え、横浜中央図書館、山内図書館、南図書館に「りんごの棚」が設置されています。今後は、まだまだ行き届いていない周知活動にも力を注いでいきたいとのことです。りんごプロジェクトの活動で一人でも多くの人に“アクセシブルな本の存在”と“誰もが読書をする楽しみ”に気がついてくれればと思います。 

ご参加いただいたみなさん、横浜市山内図書館の職員のみなさん、本当にありがとうございました。